行動観察のウェイトが高まる
小学校、幼稚園入試は、豊かな家庭環境の子どもでないと合格できません−そういうとお母さん方は、
「やっぱり」という表情をします。「経済的に豊かな家庭でないと無理」と誤解するのです。確かに、私立小学校、幼稚園に通わせるのは、経済的に余裕がなければ難しいことも事実です。しかし私のいう“豊かさ”とは、経済的というよりはむしろ精神的な心の豊かさです。
小学校、幼稚園受験は、中学や高校、大学受験とは大きく違います。中・高・大学の入試は、ペーパー
試験が中心です。ところが、小学校、幼稚園受験の場合は、ペーパーでよい点を取れば合格するかというと必ずしもそうではないのです。
慶応幼稚舎は、ペーパーテストではなく、男女別、月齢別に行われる「生活行動」や「遊び」が中心です。
体操着に着替えてゼッケンをつけるところから始め、絵画、制作、行動観察、運動などが出題されてい
ます。
早稲田実業でも、行動観察、絵画、運動重視の入試が行われています。
子どもを見れば家庭環境がわかる
幼児教育の先覚者マリア・モンテッソーリは「子どもはスポンジである」といっています。家庭の環境が汚れていれば、その汚れもそのまま吸収してしまうのです。ですから教育的な配慮のある環境を作らなくてはいけません。そういう意味でも、子どもにとって幸せで豊かな環境というのは何かを考える必要があります。家族の仲が良く、心が通いあっているかということも重要です。
〜こんな子どもが合格します〜
花の美しさや夕焼けの素晴らしさ、音楽や物語などに、感動する子ですか。優しい心、思いやりのある、
素直な子どもですか。
身の回りのことに興味や関心を持ち、できなくてもやってみようとする意欲、積極性がありますか。
毎日、規則正しい生活をしていますか。よく眠り、よく食べ、よく遊ぶ元気な子どもですか。遠くまで歩いたり、バスや電車の中でもしっかり立っていることができますか。外で思いっきり体を使って遊んでいますか。
人の話を注意深く聞けますか。物事をしっかり見ることができますか。長い時間、夢中になってひとつの
ことに向かうことができますか。最後までやり抜く粘り強さがありますか。
子どもなりに考えたり、理解したことを話すことができますか。初めて会った人や大勢の前でもはきはき
話ができますか。お絵かきや工作が大好きですか。
自分のことは自分でできますか。できないことがあっても自分でしようと努力していますか。お返事や挨拶やお礼などがきちんといえますか。躾、基本的習慣が身についていますか。お手伝いもしていますか。
家族そろって山や海、野原や公園に出かけたり、劇や映画会、音楽会などに行きますか。近所の友だちとたくさん遊んでいますか。絵本を読み聞かせたり、家族ですごろく、カルタ、トランプなどの知的ゲームを
楽しんでいますか。
誰とでも仲良く夢中になって遊べますか。良いこと、悪いことのけじめはついていますか。
落ち着きのある子どもですか。小さな事でくよくよしたり、泣いたりしませんか。いつもニコニコして穏やかな態度の子どもですか。大らかな、広い心を持っていますか。
創意工夫して自分でいろいろなものを作るのが好きですか。お話を聞いて続きを想像して話したり、絵に
描いたりしますか。